Midjourneyで作った画像を商用利用する前に、誰が作成した画像か、利用者とプランの条件が合うか、第三者の権利や入力素材に問題がないかを分けて確認します。規約で画像の扱いを確認したあと、広告・販売・顧客への納品という実際の用途へ照らし合わせる順です。
初めて仕事で画像を使う人に向けて、確認する資料と記録の作り方を整理します。以下の記入例は説明用の架空設定です。画像の生成・販売や、個別作品の権利調査を実施した記録ではありません。
商用利用の条件を規約で確かめる
所有についての説明と例外を読む
参照したMidjourneyの利用規約は、2026年5月27日を有効日とする版です。第4節「Content Rights」は、適用される法律の範囲で作成した資産を所有することと、その例外を説明しています。契約上の義務や第三者の権利に従うことも条件に含まれます。[1]
「作った画像を所有する」と書かれていることと、どの国でもその画像に著作権が成立することは同じではありません。さらに、画像に他人の作品やブランドなどが含まれる場合の確認も別に残ります。規約の一文だけを抜き出して、仕事で使う画像すべての許可として扱わないでください。
用途を決めて確認する箇所を絞る
まず、画像をどこで誰に見せるかを書きます。自社の広告に載せるのか、画像自体を販売するのか、顧客の広告素材として納品するのかで、確認相手や渡す資料が変わります。「商用利用」とだけ記録するより、実際の掲載先まで書くと用途を取り違えにくくなります。
たとえば「自分で生成した画像を、店舗の広告バナーへ使う」という架空の案件なら、画像の作成者、生成時の契約、バナーに追加する写真やロゴ、掲載先を確認します。この設定だけで使用を許可する例ではなく、必要な資料をそろえるための例です。
利用者と契約プランを照合する
企業の売上条件を確認する
第4節では、年間売上が100万米ドルを超える企業、またはその企業の従業員について、資産を所有するにはProかMegaプランへの加入が必要だと説明されています。[1] 金額の単位は米ドルです。日本円の別の基準へ置き換えたり、画像制作の売上だけの話だと読み替えたりしません。
企業で利用する場合は、契約している人の立場と、企業側の条件を確かめます。個人の契約で会社の仕事を進めてよいか、依頼主との関係をどう扱うかが分からなければ、自己判断で条件を満たしたことにせず、公式案内や契約を確認する担当者へ質問してください。
契約の記録を画像と一緒に残す
記録するのは、画像を作った人、作成時期、利用したプラン、確認した規約の版とURLです。支払いの有無だけをメモしても、企業の条件を満たすプランかどうかまでは分かりません。請求情報などを共有するときは、必要のない個人情報や認証情報を除きます。
プランが分からない画像を過去のフォルダから見つけた場合は、「有料だったと思う」と確定させず、元の制作記録や契約記録を探します。後から契約を変えた場合の個別画像の扱いも、変更したという事実だけで推測せず、作成時の条件と現行の規約を照合します。
画像の作成者と入力素材を確認する
他人の画像のアップスケールを区別する
公式規約は他人の画像をアップスケールした場合、その画像は元の作成者に属すると説明しています。[1] 自分が拡大操作を行ったことを、その画像を自分が作成した根拠にしないでください。ダウンロードできることも、販売や納品の許可を得た証拠にはなりません。
確認表の「作成者」には、自分が生成したのか、他者の画像を扱ったのかを記載します。出所が不明なら、元の投稿や制作記録を確認する項目として残します。見つからない出所を、AI画像らしい見た目だけで埋めることはできません。
追加する写真やロゴの利用条件を調べる
規約は、入力したコンテンツを含め、利用者が必要な権利と許可を持つことを求めています。[1] 参考画像としてアップロードする写真と、生成後の広告へ配置するロゴは、それぞれ何をどこまで使える素材か確認してください。生成サービス側の条件だけでは、素材を提供した人との約束は分かりません。
人物、商品名、ブランド、他者の作品に関わる判断が必要なら、対象の画像と用途を示して、権利者や確認担当者へ相談します。「AIで作り直したから大丈夫」と結論を先に置かず、どの素材の、どの利用方法が未確認かを明らかにします。
公開設定と入力する情報を確かめる
入力と生成物の利用条項を読む
第4節には入力や生成物などのコンテンツについて、Midjourneyへライセンスを付与する条項があります。また、初期状態ではコンテンツを他者が閲覧したりリミックスしたりできることも説明されています。[1] 顧客の未公開写真を入力する前に、この扱いが顧客との契約や社内の情報管理ルールと合うかを確認します。
許可を得ていない素材や、公開してはいけない情報は、確認のためという理由でもそのまま入力しません。まず実物をアップロードせずに、契約と利用場所の条件を調べます。画像を生成できたことは、その情報を入力してよかったという判断の代わりにはなりません。
Stealthと共有場所の見え方を分ける
規約はStealth機能を有効にした場合の扱いと、Discordのチャットルームなど共有・公開の場所で作成した資産の見え方を区別しています。共有・公開の場所で作った資産は、Stealthが有効でも、その場所にいる人から閲覧できると説明されています。[1]
非公開機能を契約しているかだけでなく、実際にどこで作成し、どの設定を有効にするかまで確認してください。秘密情報を扱えると保証するための説明ではありません。顧客の素材が使えない場合は、許可を得た別の素材で進めるなど、制作方法を先に決め直します。
制作記録と納品時の確認事項を残す
確認表に用途と未確認事項を書く
次は店舗の広告バナーを想定した記録の見本です。架空の管理名「広告画像A」を用い、契約や権利を確認した事実は作っていません。自分の案件では記録を確認してから欄を埋めます。
| 項目 | 記入例 | 次に確かめること |
|---|---|---|
| 画像と用途 | 広告画像A/店舗の広告バナー | 実際の画像ファイルと掲載先 |
| 作成者 | 自分で生成する予定 | 完成後の制作記録。他者の画像と混同しない |
| 利用者とプラン | 未確認 | 契約者の立場、企業の条件、対象プラン |
| 入力・追加素材 | 使用する写真とロゴは未決定 | 素材ごとの利用条件と許可 |
| 公開する場所 | 作成場所と設定は未確認 | 公開範囲と情報管理の条件 |
| 納品する内容 | 完成バナーを想定 | 元画像や編集データも渡すか、利用範囲は何か |
この表を作っただけでは使用可否は決まりません。たとえば素材の許可が未確認なら、素材を提供した相手へ利用範囲を確認し、回答を対象の画像と結び付けて残します。確認済みの欄と保留中の欄を分け、未確認を空欄のまま見落とさないようにします。
解約後の扱いと納品先への説明をそろえる
規約は後の月にプランを下げたり契約を解約したりしても、自分が作成した資産の所有が続くと説明しています。[1] ただし、第三者の権利や契約上の義務がなくなるという意味ではありません。解約後も作成時の記録や素材の許可を確かめられるように残します。
納品前には何を渡すか、どの用途を確認したか、どの事項が未確認かを納品先とそろえます。元画像や編集可能なデータも渡すなら、それらの扱いを別に確認してください。個別作品の知的財産権の判断に迷う場合は、公式規約の案内も参照し、法律の専門家への相談を検討してください。確認表の保留欄を解消してから、合意した範囲の制作・利用へ進めましょう。
参考資料
[1] Midjourney:Terms of Service。2026年5月27日版の第4節「Content Rights」を参照。公式公開API本文の取得記録は2026年10月31日。規約の説明と、本記事で提案する制作記録の作り方は区別しています。
