ChatGPTとClaudeのメモリ機能比較|記憶・設定・削除を公式情報で確認

メモリの比較は参照する情報と、止める・消す操作を分けるところから始まります。ChatGPTもClaudeも過去の情報を回答に使えますが、チャット履歴、保存された記憶、プロジェクトの範囲は同じではありません。「前の話を覚えていた」という回答だけでは、どの情報が使われたかは分かりません。

新しい会話でも説明を繰り返したくない人に向けて、両社の公式ヘルプから設定と削除の違いを整理しました。記憶の正確さを同じ条件で測った実験ではなく、後半の確認例も未実行です。機能や画面はプラン、地域、アプリ、組織の設定などで異なります。[1][2]

メモリと履歴検索の違い

ChatGPTの保存記憶と情報源

ChatGPTの公式説明では、メモリが有効なとき、チャットや利用可能な情報源から好みや詳細を参照します。提供条件によっては、過去チャット、保存記憶、カスタム指示、保存ファイル、接続したアプリも情報源になります。すべての会話の細部を保存する仕組みではありません。[1]

保存記憶はチャット履歴とは別に保管されます。履歴の参照から得る情報も変化するため、「保存した項目」と「過去の会話から参照した内容」を区別してください。Memory summaryは概要であり、使える情報のすべてを示すとは限りません。[1]

Claudeは過去チャットを検索する機能と、会話しながら話題ごとに記憶を保存する機能を説明しています。検索を使った場合には、会話中のツール呼び出しや元チャットへの引用を確認できます。[2]

公式ヘルプでは、過去チャット検索は有料プラン向けとされています。一方、メモリの提供条件や初期設定は検索と同じではなく、Team・Enterpriseでは組織の管理も関係します。「メモリがあるから検索も使える」とは判断せず、利用中の画面でそれぞれ確認します。[2]

設定を比べるための確認表

同じ質問で両サービスを確認する

比較するときは、機能名よりも、自分が確かめたい操作をそろえると違いを追いやすくなります。以下は公式説明の整理であり、記憶量や性能の採点表ではありません。[1][2]

確認点ChatGPTClaude
何を参照するか保存記憶、過去チャット、利用可能な情報源話題ごとのメモリと過去チャット検索
何が保存されたかMemory summaryや保存記憶を確認設定のManageからTopicsを確認・編集
会話だけで使わない一時チャット開始前の個人化設定を確認最初の送信前に会話のMemoryをオフ
利用を止めるメモリや履歴参照の設定を確認Pause memoryと検索設定を確認
情報を消す保存記憶と元チャット等を別々に確認個別の記憶削除、Reset memory、元チャットを区別

画面にない設定は提供条件を確かめる

ChatGPTはSettings、Personalization、Memoryの順に案内しています。表示される項目にはMemory、Reference saved memories、Reference chat historyなどの違いがあります。項目が見つからないだけで、設定の失敗とは決められません。[1]

ClaudeはSettingsのYour Claudeを案内し、旧画面ではMemoryと記載しています。自分のアプリのバージョンや契約、組織管理者の制限を確認し、他人の画面と違う部分を記録してください。[2]

プロジェクトで分けるときの注意

Claudeのプロジェクトとアカウントの関係

Claudeはプロジェクトごとにメモリを持ちます。プロジェクト内では、そのプロジェクトの記憶に加えてプロジェクト外のアカウントの記憶を使いますが、別プロジェクトの記憶は使わないと説明しています。プロジェクトで保存した記憶も、設定によってはプロジェクト外で参照されます。[2]

記憶を完全に分けたい場合、公式ヘルプはプロジェクトのMemoryにあるUse account memoryをオフにするよう案内しています。この説明はメモリの参照範囲についてのもので、あらゆるデータ保存や組織の権限がなくなるという意味ではありません。[2]

仕事を分ける前に入力のルールを決める

ChatGPTでも、使われる情報源とワークスペースの設定を確認します。[1] どちらのサービスでも、プロジェクト名や会話名を変えただけで顧客情報が分離されたとは判断しないでください。業務で使う場合は、入力できる情報と、共有・保存してよい範囲を組織のルールと照合します。

停止と削除、一時会話を区別する

チャットの削除だけでは記憶が残る

元のチャットを消すことと、そこから作られた記憶を消すことは別です。ChatGPTは、メモリをオフにしても過去チャットは消えず、チャット削除だけでは別の保存記憶が消えない場合があると説明しています。情報を除きたいときは、保存記憶、元チャット、保存ファイル、接続先など、その情報がある場所を確認します。[1]

ClaudeのPause memoryは既存の記憶を保持したまま利用と新規保存を止める設定です。Reset memoryはプロジェクトの記憶も含む全メモリを削除し、取り消せないと説明されています。チャット削除でも、その会話から作られた記憶は自動では消えません。個別の記憶はManageから削除できます。[2]

両者とも、チャット、メモリ、組織の保持方針を別々に確認してください。停止を全削除と読み替えたり、操作した直後にすべての保存先から消えたと推測したりしないようにします。

一時チャットと会話単位のオフにも違いがある

ChatGPTの一時チャットはメモリを新規作成・更新しません。ただし既存の記憶、カスタム指示、プラグインを使うかは開始前に選ぶ説明があり、使いたくない場合はUnpersonalizedを選びます。保存して通常チャットに変えると、アカウントの設定に従う扱いになります。[1]

Claudeでは、会話の最初にMemoryをオフにしても、その会話は履歴に残り、別の会話からの過去チャット検索で見つかる場合があります。Incognitoは履歴に保存されず、過去チャット検索にも使われません。ただしTeam・Enterpriseでは、Incognitoも組織の保持・エクスポートの対象になると説明されています。[2]

架空の好みで確認する手順

秘密情報を使わず設定と回答を見比べる

設定を試すなら、「説明は短めが好みです」のような架空の情報を使ってください。次の文は確認用の入力例であり、両サービスで動作を確かめた結果ではありません。

確認用の架空の好みです。私は短い説明が好みです。利用できるメモリ機能があれば、この好みを覚えてください。

送信後はまず設定の保存内容を開き、その情報があるかを確認します。続いて新しい会話で「私の説明の好みについて、何を参照できますか」と尋ね、回答だけでなく、表示される情報源や引用も記録します。答えが合ったことだけを、すべての記憶が正確な証拠にはしません。

自分が管理できるかを選ぶ基準にする

記録には、確認日、プラン、アプリ、メモリ設定、履歴検索の設定、プロジェクトの有無、保存内容、表示された参照元を書きます。会話単位で使わない操作と、保存済み情報を削除する操作も別々に確かめてください。削除前には、架空の項目だけが対象かを確認します。

毎回の説明を減らしたいなら、必要な好みを確認・修正しやすいか。案件を分けたいなら、プロジェクトとアカウントの参照範囲を管理できるか。残したくない情報があるなら、停止と削除の対象を自分で追えるか。この三つを基準にすると、未測定の「記憶力」で優劣を決めずに選べます。

参考資料

[1] OpenAI:Memory in ChatGPT。情報源、保存記憶、設定、削除、一時チャットの説明。

[2] Claude:Use Claude’s chat search and memory to build on previous context。検索、プロジェクト、停止・削除、会話単位の設定の説明。

資料確認日:2026年11月1日。ログイン後の操作、記憶精度、削除完了、プラン別の実機検証はしていません。利用前にはリンク先の最新説明と自分の設定を確認してください。

著者について

松本大輔

Re-BIRTH株式会社 代表取締役社長。

著書