完成した原稿を公開前に見直すとき、見出しの言葉だけでなく「どの見出しがどの内容をまとめているか」まで確かめると、読者がページの構造を追いやすくなります。AIで構成案を作ったかどうかにかかわらず、最終原稿には見出しの飛び、親子関係のずれ、見出しと本文の食い違いが残ることがあります。
この記事では、書き上がった原稿を対象に、H2とH3の階層、見出しの重複、本文との対応を点検する手順を紹介します。構成案をAIに作らせるプロンプトの作り方ではありません。公開する本文を人が読み、必要に応じてAIに確認観点の案を出させたうえで、原稿そのものを照合する方法です。特定のAI製品の機能やSEO上の順位効果を前提にせず、手元の原稿でできる確認に絞ります。
最初に見出しの役割を一文で決める
見出しを並べ替える前に、記事が読者に何をできるようにするのかを一文で書きます。たとえば「公開前に、完成原稿のH2・H3が親子関係と本文の内容に合っているか点検する」です。この一文が定まると、見出しが記事の目的から離れていないかを判断できます。
構成案ではなく完成原稿を対象にする
構成案の作成時は、記事に入れる論点を決めるのが中心です。一方、公開前の点検では、実際に書かれた本文が各見出しの下に置かれているかを確かめます。似たテーマでも工程が違います。見出し案が整っていても、執筆後に本文が移動したり、説明が追加されたりすれば、見出しとの対応は崩れる可能性があります。
点検する原稿は、できれば本文の編集が終わった版にします。変更が続いているなら、見直し時点の版を明示し、見出しを直した後に本文も再確認します。ひとつ前の版を点検した結果を、変更後の原稿へそのまま当てはめないでください。
H2とH3を階層として読み分ける
H2は記事の大きな話題を区切り、H3はそのH2の内容を分けて説明する、といった役割で設計できます。すべての記事で同じ数や形にする必要はありません。大切なのは、見出しのレベルが内容のまとまりを示し、読者が親子関係を理解できることです。
見た目の大きさと見出しレベルを混ぜない
MDNのHTML見出し要素の解説では、見出しレベルは文書の構造を表すものであり、文字の見た目を調整するためだけに使うものではないと説明されています。文字を小さく見せたいからH3にする、といった選び方は避け、表示の大きさはサイトのスタイル設定で調整する考え方です。見出し要素はH1からH6まであり、レベルを飛ばさずに階層を組むことが推奨されています。
ただし、記事本文にH1を置くか、ページタイトルがどの要素で出力されるかは、CMSやテーマの実装によって異なります。本文にH1があるべきかを一律に決めず、公開ページのHTMLや編集画面の仕様を確認してください。ここでの点検はH2・H3を含む本文内部の関係を確かめるものです。
H3は直前のH2の説明になっているか
見出しだけを上から読み、各H3が直前のH2を具体化しているかを確認します。H3が別の大きな話題へ移っているなら、H2を分けるか、H3を適切なH2の下へ移す必要があります。見た目のインデントだけではなく、見出しレベル自体を見てください。
たとえば「原稿の構造を確認する」というH2の下に、「見出しの飛びを調べる」というH3があるのは自然です。一方、その下に「公開後のアクセス解析を改善する」というH3が続く場合、同じ親の説明とは言いにくく、別のH2として独立させるか、記事の対象外として外す判断が必要です。
見出しの飛びと親子関係のずれを直す
点検では、H2の直後にH4が現れるなど、途中のレベルを飛ばしていないかを見ます。HTMLの見出しレベルを一段ずつ進めるというMDNの一般的な推奨は、構造の読み取りやすさを保つためのものです。階層を見た目の都合で飛ばすのではなく、内容のまとまりに合わせてレベルを選びます。
悪い例を修正してみる
次のような見出し列を考えてください。
- H2:公開前に構造を確認する
- H4:見出しの順番を確認する
- H3:本文との対応を確認する
H2の次にH4が現れ、後からH3に戻っています。番号の大小だけの問題ではなく、読者や支援技術が見出しのまとまりを追うときに、意図した階層が伝わりにくくなるおそれがあります。H4の内容がH2直下の話題なら、まずH3へ変更します。
修正例は次のとおりです。
- H2:公開前に構造を確認する
- H3:見出しの順番を確認する
- H3:本文との対応を確認する
もし「見出しの順番を確認する」の下に、さらに独立した小項目を設けたい場合は、その小項目をH4にする前に、H3が本当に親として必要かを検討します。階層を作る理由が説明できないなら、深くしすぎず同じ階層に並べるほうが明快です。
H2の下に説明がなくH3だけ続く場合
H2の直後に短い導入文を置かず、H3が続く形が常に誤りとは限りません。重要なのは、そのH2が下位の項目をまとめる意味を持ち、H3群がその内容を分けていることです。読者がH2だけを読んだときに何を扱う節なのか分からない、あるいはH3の内容が互いに無関係なら、見出しを具体化するか、節の分け方を見直します。
重複や曖昧な見出しを整理する
見出し一覧を別に抜き出し、同じ意味の項目が複数ないかを見ます。「公開前に見直す」「公開前の確認」「最後にチェック」のように表現が違っても、下の本文が同じ作業を説明していることがあります。反対に、同じ言葉を含む見出しでも、対象や手順が異なれば分けておく価値があります。
タイトルだけでなく本文も比べる
見出しの重複は見出し文字列の検索だけでは見つけきれません。各節の最初の段落を読み、説明している対象、作業、判断基準を比べます。二つの節が同じ手順を別の言い方で繰り返しているなら、情報を一つにまとめるか、違いが分かる見出しと本文へ直します。
曖昧な見出しも同様です。「ポイント」「注意点」「まとめ」だけでは、節を読まずに内容を予測しにくくなります。「見出しと本文が一致しているか確認する」のように、節で得られる情報が伝わる表現に変えると、一覧だけでも記事の流れを追いやすくなります。ただし、短い見出しを機械的に長くする必要はありません。本文との対応が明確で、記事全体の流れに役立つ表現を選びます。
見出しと本文の対応を架空の原稿で点検する
次のミニ原稿は手順を説明するための架空例です。実際の編集結果や順位への効果を示すものではありません。見出しだけでは節の内容が正しいか判断できないため、本文の一部も並べて確認します。
| レベル | 見出し | 本文の要点 | 点検結果 |
|---|---|---|---|
| H2 | 見出しの親子関係を確認する | 原稿の大見出しと小見出しの対応を調べる | 節の目的が分かる |
| H3 | 見出しレベルを一覧にする | H2、H3の順に見出しを抜き出す | 親の作業を具体化 |
| H3 | 本文の説明と見出しを照合する | 見出しの約束を本文が説明しているか読む | 親の作業を具体化 |
| H2 | 表記ゆれを直す | 「H2」と「大見出し」の表記を統一する | 表記確認の節として独立 |
| H3 | 見出し階層の飛びを確認する | H2の次にH4がないか見る | 親の内容と不一致 |
最後の行は、見出しが「見出し階層の飛び」を扱う一方、親H2は「表記ゆれ」を扱っています。本文の作業も親の説明とは別です。たとえばH2を「公開前に構造と表記を点検する」に広げる方法もありますが、二つの作業を一つにまとめると節の焦点がぼやけるなら、階層確認を独立したH2に移します。どちらを選ぶかは記事の目的と本文の量で決め、見出しの数を増やすこと自体を目標にしません。
AIの提案は原稿との照合で確かめる
AIの指摘が正しいか、見出し一覧と本文を照合する作業は人が行います。製品によって使える機能や入力条件が異なるため、特定機能が必ず利用できるとはここでは述べません。
実データを渡す前に入力内容を確認する
AIに点検観点の案を出させる場合は、実際の原稿を渡す前に機密情報や個人情報を含まないか確認します。社内規程や利用中サービスの条件が分からないまま、原稿を外部へ送ってよいとは判断できません。架空の短い例で指示文を試し、出力は提案として扱ってください。
公開前に同じ原稿をもう一度読む
修正後は、見出し一覧だけでなく本文も再読します。見出しを移動した結果、段落が別の節に残っていないか、前後のつながりが切れていないか、同じ説明が重複していないかを確認します。見出しの階層を直したことだけで、内容の正確さや記事全体の品質まで確認できたことにはなりません。
短い確認表で漏れを減らす
最後に、次の観点を原稿に照らします。
- H2とH3が、記事の目的に沿ったまとまりになっている
- H3が親となるH2の内容を具体化している
- 見出しレベルを理由なく飛ばしていない
- 見出しだけを追っても、記事の順序と話題が分かる
- 似た見出しの本文を読み比べ、重複や焦点の違いを確認した
- それぞれの見出しが直下の本文で説明されている
- 修正後の原稿を見出し一覧と本文の両方で読み直した
- CMSのページタイトルや本文H1の出力は、実際の実装で確認した
点検表はすべてに機械的に印を付けるためのものではありません。たとえばページタイトルと本文のH1の関係は、CMSの出力を見ないと分からない場合があります。確認できていない項目は「問題なし」とせず、実装確認が必要な項目として残します。
完成原稿の見出し点検では、階層の番号を整えるだけでなく、見出しの親子関係と本文との対応を確かめます。構成案作成とは別の工程として、公開する版を対象に、見出し一覧、本文、CMSの実装をそれぞれ確認してください。AIは確認観点を考える補助にできますが、実際の原稿との照合を置き換えるものではありません。
参考資料:MDN「HTMLの見出し要素(H1〜H6)」
