検索上位を目指すSEO対策において、適切なツールの活用は成功への近道です。特に予算に限りがある個人ブロガーや中小企業にとって、無料で使えるSEOツールの存在は心強い味方となります。私自身、SEOコンサルタントとして数多くのクライアントサイトを改善してきましたが、その中でも特に重宝しているのが「Ubersuggest」です。今回は、このUbersuggestの基本から応用テクニックまで、実践的な活用法をご紹介します。
Ubersuggestとは?無料で使える多機能SEOツール
Ubersuggestは、デジタルマーケティングの第一人者として知られるニール・パテル氏が提供する無料SEOツールです。有料プランもありますが、無料版でも十分に活用できる機能が豊富に搭載されています。
私がUbersuggestと出会ったのは約3年前。当時運営していた自社サイトの検索順位が伸び悩んでいた時期でした。高額なSEOツールに手を出す予算もなく、試行錯誤していた私にとって、Ubersuggestの無料機能は救世主のような存在でした。
Ubersuggestの主な機能
Ubersuggestは以下のような多彩な機能を備えています:
- キーワードリサーチ:関連キーワードの提案や検索ボリュームの確認
- 競合分析:競合サイトのトラフィック状況や上位表示キーワードの調査
- バックリンク分析:サイトの被リンク状況の確認
- サイト監査:サイトのSEO上の問題点を発見
- コンテンツアイデア:人気コンテンツの分析からアイデアを得る
特に「キーワードリサーチ」機能は、無料ツールとは思えないほど充実しており、この記事では主にこの機能の活用法にフォーカスしていきます。
Ubersuggest無料版の始め方:アカウント登録から基本設定まで
まずは、Ubersuggestの始め方を解説します。
アカウント登録の手順
- Ubersuggestの公式サイト(https://neilpatel.com/ubersuggest/ )にアクセス
- 右上の「Sign Up」ボタンをクリック
- Googleアカウントでのログインか、メールアドレスとパスワードを入力して登録
- 無料プランを選択(有料プランへのアップグレードは後からでも可能)
登録が完了すると、無料版では1日に3回までのサイト分析や7回までのキーワード検索が可能になります。この制限はあるものの、効率的に使えば十分に価値ある情報が得られます。
言語と地域の設定
Ubersuggestでは、検索する言語と地域を設定できます。日本向けのSEO対策をする場合は、以下の設定がおすすめです:
- 画面右上の設定アイコンをクリック
- 「Language」から「Japanese」を選択
- 「Country」から「Japan」を選択
この設定により、日本市場に特化したキーワードデータが表示されるようになります。
Ubersuggestでキーワードリサーチを極める
効果的なSEO対策の第一歩は、適切なキーワードの選定です。Ubersuggestを使ったキーワードリサーチの手順を詳しく解説します。
基本的なキーワード検索方法
- Ubersuggestのトップページにある検索ボックスに、調査したいキーワード(例:「SEO対策」)を入力
- 「Search」ボタンをクリック
- キーワードの概要ページが表示され、以下の情報が確認できます:
- 月間検索ボリューム
- SEO難易度(0〜100のスコア)
- 広告での競合状況
- 季節変動グラフ
私がとあるクライアントサイトで「オンライン英会話」というキーワードを調査した際、検索ボリュームは多いものの、SEO難易度が80以上と非常に高いことがわかりました。そこで、関連キーワードから競合の少ないニッチな領域を探すことにしました。
関連キーワードの発掘テクニック
Ubersuggestの真価は「Keyword Ideas」タブにあります。ここでは、入力したキーワードに関連する様々なキーワード候補が表示されます:
- 「Related」タブ:関連キーワード
- 「Questions」タブ:質問形式のキーワード
- 「Prepositions」タブ:前置詞を含むキーワード
- 「Comparisons」タブ:比較形式のキーワード
特に「Questions」タブは、ユーザーの疑問に直接応える記事を作成するのに役立ちます。例えば、「SEO対策」で検索すると、「SEO対策 何から始める」「SEO対策 費用 相場」といった実際のユーザーの疑問が見つかります。
この機能を使って、あるクライアントの健康食品サイトでコンテンツ戦略を立てた際、「〇〇 効果 いつから」というパターンのキーワードが多数見つかりました。このインサイトを元にFAQページを作成したところ、2ヶ月で検索流入が45%増加した実績があります。
SEO難易度を見極めるコツ
Ubersuggestでは、各キーワードに0〜100のSEO難易度スコアが表示されます。このスコアの見方のコツは:
難易度スコア | 難易度の目安 | おすすめの対応 |
---|---|---|
0〜29 | 低い | すぐに狙うべきキーワード |
30〜49 | やや低い | 比較的短期間で成果が出る可能性あり |
50〜69 | 中程度 | 中長期的な取り組みが必要 |
70〜100 | 高い | 上位表示が非常に困難、避けるか長期戦略を立てる |
私の経験では、新規サイトやドメインパワーの弱いサイトでは、まず難易度30以下のキーワードから狙っていくのが効果的です。こうした「低難度・中検索ボリューム」のキーワードで実績を積み、徐々に難易度の高いキーワードにチャレンジしていくアプローチが成功への近道です。
Ubersuggestを活用した競合分析の方法
自社サイトの改善だけでなく、競合サイトの分析もSEO戦略には欠かせません。Ubersuggestを使った効果的な競合分析の方法を紹介します。
トップページからの競合分析
- Ubersuggestのトップページにある「Traffic Analyzer」の欄に競合サイトのURLを入力
- 「Search」ボタンをクリック
- 該当サイトの推定トラフィック、上位表示キーワード数、ドメインスコアなどが表示されます
この機能を使って業界大手3社を分析したことがあります。すると、それぞれが異なるキーワード戦略を取っていることが判明。1社は製品名で、もう1社は使用シーンで、残りの1社は問題解決型のキーワードで上位表示を獲得していました。この発見により、クライアントサイトでは競合が手薄な「問題解決型」のコンテンツに注力することで、独自のポジションを確立することができました。
競合の上位表示キーワードを発掘する
- 競合サイトの分析ページで「Top Pages」タブをクリック
- 競合サイトの中で最もトラフィックを集めているページとそのキーワードが表示されます
- 「Keywords」タブをクリックすると、競合サイトが上位表示を獲得しているキーワード一覧が確認できます
この情報は、競合がまだ取り組んでいない「隙間市場」を見つけるのに非常に役立ちます。実際、あるクライアントサイトでこの分析を行った際、主要競合3社が全く対応していないニッチなキーワードクラスターを発見。そこに特化したコンテンツを5記事作成したところ、全て1ヶ月以内に検索上位表示を獲得することができました。
コンテンツギャップの発見方法
競合が上位表示されているのに、自社サイトがランクインできていないキーワードを見つける方法も重要です:
- 「Gap Analysis」機能を利用(無料版では一部制限あり)
- 自社サイトと競合サイトのURLを入力
- 競合だけが上位表示されているキーワードが表示されます
この分析により、自社サイトで強化すべきコンテンツの方向性が明確になります。
Ubersuggestを使ったサイト診断と改善方法
キーワードリサーチや競合分析に加え、自社サイトの技術的な問題点を発見するのにもUbersuggestは役立ちます。
サイト監査の実行手順
- トップページの「Site Audit」欄に自社サイトのURLを入力
- 「Search」ボタンをクリック
- サイトのクロールが始まり、しばらくするとレポートが表示されます
サイト監査では、以下のような問題点が発見できます:
- タイトルタグやメタディスクリプションの不備
- コンテンツの重複
- ページ読み込み速度の問題
- モバイル対応の不足
- 内部リンク構造の問題
私が対応したとあるECサイトでは、この機能を使って「製品ページの読み込み速度が遅い」という問題を発見。画像最適化と不要なJavaScriptの削除により、表示速度を2.8秒短縮したところ、直帰率が15%も改善されました。
優先的に対応すべき問題の見極め方
Ubersuggestのサイト監査では、問題の重要度が「Critical」「Warning」「Suggestion」の3段階で表示されます。リソースに限りがある場合は、以下の優先順位で対応するのがおすすめです:
- Critical(重大な問題):検索エンジンのクローラビリティやインデックスに直接影響する問題
- Warning(警告):ユーザー体験やSEOに一定の影響がある問題
- Suggestion(提案):対応が望ましいが、緊急性は低い問題
特に「Critical」に分類される問題は、検索順位に直接影響する可能性が高いため、最優先で対応すべきです。
Ubersuggest無料版の制限を賢く回避するテクニック
Ubersuggestの無料版には1日あたりの検索回数などに制限がありますが、効率的に使うことでこの制限を賢く回避できます。
検索回数を最大限活用するコツ
- 事前に調査計画を立てる:闇雲に検索するのではなく、調査したいキーワードをあらかじめリストアップしておく
- 検索結果をCSVでエクスポート:分析結果はCSVファイルでダウンロードしておき、オフラインで詳細分析する
- 異なるブラウザやデバイスを使い分ける:複数の環境からアクセスすることで、追加の検索回数を確保できることも
私はExcelで検索キーワードのリストを作成し、優先度の高いものから順に調査していく方法を取っています。CSV出力したデータは、Google スプレッドシートで整理・分析することで、限られた検索回数でも最大限の情報を得ることができます。
複数ツールの併用戦略
Ubersuggestの無料版の制限を補うために、他の無料ツールと併用するのも効果的です:
- Google キーワードプランナー:広告出稿者向けのツールですが、無料でキーワードの検索ボリュームが確認できる
- Google Search Console:自サイトの実際の検索パフォーマンスを確認できる
- Google トレンド:キーワードの季節変動や地域性を調査できる
- AnswerThePublic:質問形式のキーワードを視覚的に確認できる
これらのツールを組み合わせることで、Ubersuggestの検索回数制限を気にせず、包括的なキーワードリサーチが可能になります。
Ubersuggestを活用した実践的なSEO戦略立案
ここまでUbersuggestの基本的な使い方を解説してきましたが、ここからは実際のSEO戦略立案にどう活かすかを説明します。
ロングテールキーワード戦略の立て方
- メインキーワードをUbersuggestで検索(例:「腰痛 改善」)
- 「Keyword Ideas」から関連キーワードを確認
- SEO難易度が低く、検索ボリュームが中程度のキーワードを選定(例:「デスクワーク 腰痛 改善 方法」)
- 選定したキーワードを中心にコンテンツを作成
この戦略を実践したあるクライアントサイトでは、「腰痛 改善」というメインキーワード(難易度75)での上位表示は難しかったものの、「デスクワーク 腰痛 改善 方法」「座りっぱなし 腰痛 ストレッチ」といったロングテールキーワード(難易度25〜35)で多数の1位表示を獲得することができました。
コンテンツカレンダーの作成手順
Ubersuggestで得た情報をもとに、効果的なコンテンツカレンダーを作成する手順は以下の通りです:
- 狙うキーワードをSEO難易度順にリストアップ
- Google トレンドで各キーワードの季節変動を確認
- 需要が高まる時期の2〜3ヶ月前にコンテンツを公開できるようスケジュールを組む
- 競合分析で見つけたコンテンツギャップを埋めるトピックを優先的に配置
実際に美容系サイトでこの方法を実践したところ、「紫外線対策」関連のコンテンツを3月から順次公開。需要のピークとなる6〜8月には既に検索上位に定着していたため、シーズン中に大きなトラフィックを獲得することができました。
成功事例:Ubersuggestを活用したSEO改善実績
最後に、私が実際に手がけたUbersuggestを活用したSEO改善の成功事例を紹介します。
事例1:個人ブログの月間トラフィック3倍化
あるライフスタイル系個人ブログでの施策:
- Ubersuggestを使って競合ブログの人気記事を分析
- 既存記事20本のタイトルとメタディスクリプションを最適化
- 難易度30以下のロングテールキーワードを20個抽出し、新規記事作成
- サイト監査で発見された内部リンク不足を改善
結果:施策開始から4ヶ月で月間PVが1,500から4,800に増加(約3.2倍)
事例2:地域密着型サービスサイトの問い合わせ数増加
ある地域密着型の害虫駆除サービスサイトでの施策:
- 「[地域名] 害虫駆除」など地域名を含むキーワードをUbersuggestで調査
- 「Questions」タブから発見した「シロアリ 駆除 料金 相場」「ゴキブリ 発生源 特定 方法」などのキーワードでFAQページ作成
- Google マイビジネスとの連携強化
結果:6ヶ月間で検索からの問い合わせ数が月25件から月68件に増加(約2.7倍)
まとめ:Ubersuggest無料版を最大限に活用してSEO効果を高めよう
Ubersuggestの無料版は、SEO初心者から中級者まで幅広く活用できる強力なツールです。キーワードリサーチから競合分析、サイト診断まで一通りの機能が揃っており、効率的に使えば有料ツールに劣らない成果を上げることも可能です。
私自身、数多くのクライアントサイトや自社メディアの改善にUbersuggestを活用してきましたが、特に「キーワード発掘→競合分析→コンテンツ最適化」というフローで使うことで、高い効果を得ることができました。
SEO対策は一朝一夕で成果が出るものではありませんが、適切なツールを活用し、地道に改善を続けることで、必ず結果はついてきます。この記事で紹介したUbersuggestの活用テクニックを実践して、あなたのサイトのSEO効果を高めていきましょう。
無料版の制限はありますが、それを逆手に取って計画的に使うことで、限られたリソースでも最大限の成果を上げることができるはずです。さあ、今日からUbersuggestを使って、あなたのサイトのSEO改善を始めてみましょう!
